3月11日、北ダゴンでデモ隊の先頭にいた24歳の青年(チッミンドゥ)が軍の銃弾に倒れた。銃弾は彼が持っていた黒い盾を撃ち抜き、彼の頭部へ達したのだ。

彼には妻と2歳の娘と妻のお腹の中に2ヶ月になる子どももいた。

昨日(3月13日)、彼の葬式に行ってきた。鉄道職員への支援金の残金があったので、青年の奥さんへ支援金として渡そうと思ったからだ。

彼が住んでいたアパートの周囲の道の上には赤い旗が遠くの方までずっと続いていた。勇気と民主主義のシンボルともいえる赤い旗は彼に対する周りの住民の気持ちだった。彼の元を訪れる人たちは絶えなかった。

私も彼が住んでいたアパートの一室を訪れると、奥さんが疲れ切って寝ていた。日本のみなさんから預かった義援金を、私は黙って親族に香典として渡した。2歳の娘は知り合いの家族が預かっているという。2歳だと父親の死については今は何も理解できないだろう。

また、これから生まれてくる子どもは父親に会うことはない。しかし、デモの先頭に立って勇敢に闘った父親の話は子どもたちの中にもずっと残っていくだろう。

左側に彼が持っていた盾

銃弾が盾を撃ち抜いていた